運転免許自主返納者が年々増加昨年度は150件以上の申請
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日進月歩で性能が良くなっている自動車だが、運転ミスによる事故は絶えない。事故につながりやすい高齢者の運転は、家族の不安にもつながることから、海老名警察署管内でも運転免許の自主返納は年々増えている状況だという。
県全体での交通事故は減少傾向だが、高齢者の事故件数はほぼ横ばいの状態。海老名署管轄内で昨年度起きた事故の約35%は、被害者加害者問わず65歳以上の高齢者が関わっていたものだという。
こうした背景もあり、「家族に勧められた」等の理由で免許返納者は年々増加傾向にあり、同署管内では昨年度150件以上あったという。
同署では「一歩間違えてしまうと凶器になってしまうのが自動車。運転が危ないと感じたり、身体能力の衰えを感じたら自主返納を検討してほしい」と話している。
便利さは捨てられない
一方で自動車による移動手段が無くなると、買い物や通院などが不便になるため、運転をやめられないという現実がある。
自動車教習所「海老名ドライバーズスクール」によると、認知機能検査を受ける75歳以上は年間約2000人のうち「認知症のおそれがある」と診断される人は約600人にのぼるという。
同スクールでは「実際に運転チェックをしてみると、高齢者の運転は経験則に基づいた運転が多くなるので、一時停止を怠る傾向にある。慣れた道でも交通ルールに準じて安全運転をしてもらいたい。また、免許更新に必要な高齢者の講習手続きは、現在2カ月半待ちの予約状況なので、案内書が届いたら速やかに対応して欲しい」と話す。
身分は運転経歴証明書で
免許証を身分証明のために利用している高齢者が多い事から、海老名署では、運転免許が不要な人に対して返納を促すとともに「運転経歴証明書」の発行を呼び掛けいている。
同証明書は手数料1000円で発行でき、一度発行すれば更新手続きの必要はない。本人でなくても委任状を持参すれば、代理人の申請も可能。同署管内では返納者の約8割が経歴証明書の申請を行っているという。
「社会全体で動きを」
また、経歴証明書を提示すれば割引特典などを受けられる企業も多い。
市内で独自サービスを実施している飲食店のひとつ「スープカレー専門店kuu」では提示者に対し、ドリンク(アルコールも含む)1杯サービスの特典を付けている。同店では「免許返納をしても、楽しく暮らしやすい海老名であり、こうした動きが広がれば」と想いを込める。
免許証返納や経歴証明書の発行などの詳細は海老名警察署【電話】046・232・0110へ。